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2024年8月22日
鳥取県倉吉市福吉町のはばたき人権文化センターで8月22日、高齢者を対象に「にこにこサロン」が開催され、倉吉民話の会(会長伊佐田品子さん)の皆さんのお話を楽しみました。民話は民衆の生活の中から生まれ、民衆により口伝えで伝承されてきた説話です。今日のお話は伊佐田品子さん、八島史郎さん、友森智恵子さん、北村仁美さん、小矢野操さんの5名です。
小矢野さんのお話は「田内の岩あみだ仏」、倉吉市田内に伝わる民話です。不信心な子どもが阿弥陀さんの像を削り石ころにして海に流してしまいます。隠岐の島に流れついた石ころを見た方丈(住職)は仏さんと分かり祀ることにしました。今でも病を治すと拝まれているお話です。
伊佐田さんのお話は「天神川の河童」、子どもの河童が畑のキュウリを食べてしまい、怒ったかんぞうさんは庭の木に河童をくくりつけてしまいますが、反省した河童に詫び証文を書かせ許してやります。翌年天神川が大洪水、かんぞうさんの家も流され、詫び証文もなくなってしまったというお話です。
友森さんは「トビととのさま」、トビは殿様の行列の上空を気持ちよく飛んでいます。トビのフンが羽織に落ちると「羽織をお召替え」、刀に落ちると「刀をお召替え」、ついにはちょん髷に落ち「首をお召替え」と、首を切り新しい首と取り換えてしまいました。
八島さんは「きつねの恩返し」、倉吉市服部のお話です。一人暮らしの鉄砲撃ちのぎすけは罠にかかったきつねを助けます。年に一度のお役人による検査の大切な日に、ぎすけは熱を出し寝込んでしまいます。翌日村人に検査の様子を聞くと、ぎすけは検査を受けたと言います。どうも助けたきつねがぎすけに化けてくれたようです。喜んだぎすけは鉄砲撃ちをやめ農業に精を出したとな。
北村さんは「天狗のかくれみの」のお話のほかに歌を担当し、「赤とんぼ」をみんなで唄いました。輪唱したり手拍子をしながら唄ったりと、気分転換とちょっとしたフレイル予防でした。
にこにこサロンのみなさんにとっても民話を聞いたり、話したりしたのも昔の話し。思い出に残る貴重な体験でした。
写真の説明:集合写真右から北村さん、伊佐田さん、八島さん、友森さん、小矢野さんです。