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2024年8月08日
境港楽習会(代表定岡敏行さん)が2018年から始めた境港楽連続講座、郷土の課題や歴史など多彩なテーマで開催されてきましたが、今年で終了となります。
この日は大山町教育長鷲見寛幸を講師に「大山さんのおかげ~湧水の恵み」をテーマに大山の魅力や私たちが受けている恩恵についてお話がありました。鷲見さんは大山町赤池で生まれ幼少の頃から「大山さん」とともに育ち、くまなく歩き、植物や動物などを研究されてきました。受講生の皆さんにとっても大山は身近な存在で、熱心にお話を聞いていました。
大山には西日本最大のブナ林があり「緑のダム」として、私たちの生活は大きな恩恵を受けています。ブナの木1本で年間約8トン、500mlのペットボトルで1万6千本分の保水力があることや、きのこの役割が大きく、植物を分解し健全な腐葉土を作り出していること。これにより大山は栄養分豊かな森を形成していると話しました。
他地域の話ですが、海での漁獲量が減り困った漁師が大きな川の上流を調べると開発により森がなくなっていました。漁師たちは自ら植樹し森を復活させると豊かな海が蘇ったそうです。 「県内では素潜り漁が盛んで、大山町には素潜りだけで生計を立てている人がいる」「漁港境港も確実に森の恩恵を受けている。大山の森が海の生き物を育てている」と言われます。
「極相林」とはほっとくと特定の種類の樹木が主流になることで、大山では標高700メートル以上がブナの林になるとも話されました。ブナは「橅」と書きます。水分を多く含み建材や家具として加工すると割れたり曲がったりするために役に立たない木という意味です。ところが欧州では「母なる森」と言われたくさんの命を育てていることが認識されているそうです。大山さんはブナの木が茂り、まさに「母なる森」です。
なお、境港のような平地ではシイやかしの木が極相林で、人の手が入っていない神社などの林を見れば分かるそうです。
このほか、ブナ林の紅葉や満月の灯りに負けない輝きを放つヒメボタル、おいしい水、暗夜行路に紹介されている影大山など、私たちは多くの楽しみを大山さんから頂戴していると話しました。
講演終了後の質問では大変細かな質問が次々に出てきましたが、大山を知り尽くしている鷲見さんは流れるように答えられることに驚かされましたが、大山を身近なものとして楽しんでいる境港市民の方々にも興味深いものがありました。
なお、境港楽の連続講座は残り3回です。詳しくは定岡代表にお問合せください。
9月12日(木) 尼子氏の興亡-弓ヶ浜半島も舞台だった 安来市立歴史資料館館長 平原金造氏
10月10日(木) 「銀の橋を渡る」-きれいな中海を夢みて 作家 松本薫さん
11月14日(木) 伊勢田千代子先生-男女差別に抗した“こおり組6人衆 境港楽代表 定岡敏行氏 会場は境港市老人福祉センターです。
連絡先 定岡敏行 090-8064-6191 t.sadaoka@gmail.com
写真の説明:順に鷲見寛幸さん、定岡敏行代表、境港楽の様子です。