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令和に語る万葉歌人の魅力   中永廣樹さん、福井伸一郎さん

2022年3月27日

 山陰ゆかりの万葉集を代表する歌人の魅力を語る「万葉講演会」が3月27日、米子市新日本海新聞社西部本社ホールで開催されました。講師は山陰万葉を歩く会会長の川島芙美子さん、日本海情報ビジネス専門学校校長の中永廣樹さん、山上憶良の会会長の福井伸一郎さんです。
 山陰ゆかりの万葉歌人は、因幡国司大伴家持、伯耆国司山上憶良、出雲国司門部王、石見国司柿本人麻呂の4人ですが、いずれも国司として中央から派遣された官吏でした。
 まず、大伴家持について中永さんは「家持が因幡で詠んだと明らかな歌は一首のみ『新たしき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事』」万葉集の最終歌です。万葉集の編さんにあたった家持は防人の歌や東歌なども取り上げており「編集者としての考えが伺える」と話しました。
 福井さんは「残念ながら憶良が伯耆で読んだ歌は残っていない」と悔しがりながら、「貧窮問答歌」は「気象の表現や風害による厳しい税の取り立てに苦しむ庶民の暮らし」など、伯耆国司としての体験を詠んだものもいいます。
 川島さんは、まず「山陰一つ、山陰はすごい」と万葉集や日本海、中国山地、たたら製鉄などを例に話しました。万葉集で最高の歌とされる人麻呂の「石見相聞歌」を「万葉集にはめずらしい自然にあがらう歌」と紹介しました。石見では人麻呂を「人丸さん、人麻呂さん」と呼んで親しまれているそうです。また、門部王の「飫宇の海の潮干の潟の片思に思ひや行かむ道の長手を」を、出雲で娶った女性への愛情を詠んだ歌と紹介しました。
 このあと、山陰万葉を歩く会副会長の田淵康成さんをコーディネーターに「この魅力を全国に発信するぞ!」をテーマに懇談会があり、高岡市万葉歴史館の取組紹介、万葉集を丁寧に読み解くことの重要性、情報をまとめ冊子を発行した事例などが講師のみなさんから紹介されました。
 最後に参加者のみなさんから質問等がありましたが、みなさんの造形は深く時間制限がなければいつまでも続くように感じ、万葉集と山陰とのつながりの深さを再認識した講演会でした。

リーフレット「万葉」山陰万葉を歩く会発行

中永廣樹さん

福井伸一郎さん

川島芙美子さん

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