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大神山神社の謎を解く    坂田友宏さん

2021年5月22日

 伯耆文化研究会5月総会の記念講演会として、5月22日、米子市図書館で米子高専名誉教授坂田友宏さんの講演がありました。
 坂田さんは、日本民俗学評議員、山陰民俗学理事、鳥取県文化財保護審議会委員、伯耆文化研究会会長などを歴任され、現在、新鳥取県史編さん委員、伯耆文化研究会顧問です。
 講演のテーマは「大神山神社の謎」でした。大山の古代信仰は山岳信仰の始動期、天台宗の成立・発展期、地蔵信仰及び神仏習合の受容期と流れていくが、アニミズム(土俗的信仰)がかなり以前からあったとのこと。
 奈良時代以前に、霊山信仰の拠点として現奥宮の地点に大神山神社が創設されました。9世紀前半頃の大同から承和にかけての間に、仏教徒入山の影響を受けて大神山の呼称が大山となり大神山神社から大山神社と名称が変わります。(大山の名称については、出雲国風土記(733年)や最澄の「法華長講会願文」(809年)により、古代には大神山と呼ばれていたことが確認できる)
10世紀中頃に地蔵信仰、神仏習合が伝わり、大山神社が地蔵を受け入れて大智明権現社となり、習合によって神官と修験との間に確執が生じました。修験方と神官方の軋轢の中で、神官方は丸山の地を選んで大神山神社(創立当初の社号)を再興し、大神山神社と大智明権現社の両社並存体制が明治初期まで続きました。明治の改編により、大神山神社を本社とし大智明権現社は大神山神社奥宮と改称して現在に至っています。
 坂田さんは出雲風土記等多くの史料や研究者の見解を取り上げながら詳細に説明されました。
 なお、大神山神社奥宮本殿・幣殿・拝殿は国指定重要文化財に、神門は県指定保護文化財に指定されています。自然石を敷き詰めた700メートルの参道、権現造りの社殿、幣殿の白檀の漆塗りは日本一と言われており当時の面影を残す歴史的文化財を多数見ることができます。
 大山さんと親しまれている大山の魅力の奥深さを学ぶことができました。
 *公演の内容をコンパクトにまとめたものが「伯耆文化研究(伯耆文化研究会)」第19号 「大山信仰-その始まりと展開- 坂田友宏」にあります。図書館にありますので、関心のある方はご覧になってはいかがでしょうか。

坂田友宏さん

講演会の風景

講演会の風景2

演題

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