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鳥取城復元!   神谷佳友さん

2021年3月27日

 鳥取市の仁風閣で3月27日と28日の2日間、鳥取城を立体で再現したペーパークラフト展があり、大勢の市民に「鳥取城復元」をPRしました。このところ鳥取城では、擬宝珠橋や大手門が再建されるなど復元工事が進んでおり、市民はクラフト展でひと足早く、鳥取城復元のイメージを膨らませていました。
 作ったのは郷土史や鳥取城を研究する神谷佳友さんです。ペーパークラフトが趣味の神谷さんは、10年ほど前にも150分の1のサイズの鳥取城を作っていますが、今回は持ち運びに便利なA3サイズの作品など17点を作り、展示しました。
 いずれも半立体作品です。明治時代に撮影された在りし日の鳥取城の写真と現在の写真を合成し、鳥取城を立体で再現したものです。背景の久松山、二の丸の三階櫓、菱櫓などを順に立て、それぞれの写真を切り抜き、外壁や屋根などを折り曲げて仕上げました。
神谷さんによると、明治時代の写真がどこで撮られたのか、その場所を探すのに1カ月かかったそうです。現在の写真と合成する際には、比率にもこだわりました。その精密さには驚かされます。
 神谷さんは小学生のころ、父親から「鳥取城」という本をもらって以来、鳥取城に興味を持ち、調べ続けてきました。羽柴秀吉軍が取り囲んだ戦国時代の久松山は裸山で、山のあちこちには逃げ込んだ村人たちの小屋が無数にあったとする模型も作ったりしています。
 その鳥取城は、1879年(明治12年)までには石垣を残して取り壊されました。石垣も鳥取大震災などで崩れるままでしたが、1957年(昭和32年)に国史跡の指定を受けて石垣の修復工事が始まり、今も続いています。2007年(平成19年)には二の丸の三階櫓なども含めた鳥取城復元の長期計画が決まり、擬宝珠橋に次いで大手門だった中ノ御門の復元が成ったばかりです。
 鳥取市教育委員会によると、鳥取城復元工事は2030年ごろを目途に、中ノ御門渡櫓や太鼓御門渡櫓など登城路整備が続くといいます。
 神谷さんは「生きているうちに、元気なうちに復元した鳥取城が見られないかもしれない。見られないなら自分で作ろう」と思い立ち、鳥取城復元の機運が高まることを願って、ペーパークラフトで復元鳥取城を制作しました。鳥取城跡の桜見物で仁風閣に立ち寄り、クラフト展を見た市民からは、「実際に鳥取城が復元されるとこんな感じになるのか。楽しみだなぁ」と歓声が上がっていました。神谷さんが作品に込めた思いは、しっかりと市民に届いているようでした。

神谷佳友さん

上が明治時代の鳥取城、下が現代に復元した鳥取城

大手門だった中ノ御門

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