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日本人の心、今も昔も      中永廣樹さん

2020年12月10日

 日南町の生涯学習講座「やさしい国語」の最終講座が12月10日、町役場であり、中永廣樹さん(鳥取県スポーツ協会会長)が徒然草を解説しました。参加者は鎌倉時代と現代の日本人に共通する「もののあはれ」について学びました。
 「やさしい国語」講座は平成29年から始まり、今年で4年目です。源氏物語に続いて、昨年から徒然草を題材にしてきました。今年は22人が受講し、年間3回ありました。
 徒然草は吉田兼好が書いた随筆で、日本三大随筆のひとつです。鎌倉時代末期の作といわれています。書き出しの「つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」が有名です。心に浮かぶことを面白おかしく書いてみたといったところでしょうか。その徒然草から現代人にも通じる人生論、人間論、社会論などを学びました。
 この日は四季の移り変わり、とりわけ新年を迎えるころの趣について学びました。そこには約700年前の年末も人々は忙しく正月の準備をしており、大みそかには夜中をすぎても騒いで浮足だっていたものの、新年を迎えると、お墓参りをするなど、とたんに静かになり、厳かになっていく様子がつづられています。
 中永さんは、兼好が生きた時代も、今と変わらない新年を迎える気持ちがあったことを紹介し、懐かしい風習や習慣、心情を伝えるのが随筆の面白さだと解説しました。併せて長い歴史の中で変化が起こり、清新さが薄れてきているとも指摘し、昔の風習やいわれなどを子どもたちにしっかり伝え、日本人の心をつないでいきましょうと説いていました。
 講座終了後、中永さんは受講生一人ひとりに修了証を贈りました。受講生は「楽しかった。先生の授業は面白く、テンポもよいのでまるでドラマを見ているようでした。来年もぜひ参加したい」と、やる気満々でした。

中永廣樹さん

講座の様子

修了証を受け取る参加者

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