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麒麟の心をひろげよう   石田一高さん・福本弘文さん

2020年10月13日

 「幸せを呼ぶ聖獣・麒麟、その獅子舞い文化を広めよう」と、鳥取市の人形作家が麒麟獅子のマリオネットをつくり、10月13日夜、市内の一膳飯屋・あまから亭で披露しました。公開練習を重ねて上演の運びですが、日本遺産の麒麟獅子がいつでも、どこでも気軽に見られるようになると期待されています。
 因幡や但馬に伝わる麒麟獅子は昨年、待望の日本遺産になりました。ただ、神事とあって、神社の例祭や伝統芸能のイベントくらいしか見ることができません。舞い手、おはやしなどをそろえなければならないため、鑑賞の機会は簡単にはつくれません。麒麟獅子舞の継承、発展の課題です。
 そこで、劇団どんぐり代表の石田一高さんと中学校で木工品づくりを指導している福本弘文さんらは麒麟獅子のマリオネットをつくりました。1人でも獅子舞いを演じることができ、どこへでも持ち運びできるからです。多くの人に麒麟獅子を知ってもらい、見てもらうのがねらいです。
 福本さんによると、マリオネットづくりの参考にしたのが東井神社(用瀬町)に伝わる麒麟獅子の立体図面です。鳥取県伝統工芸士の中山勘治さんから手ほどきを受け、猩々(しょうじょう)や麒麟獅子など獅子舞いのセットを製作しました。
獅子舞いは大概20分前後ですが、マリオネットの獅子舞いは約5分間です。それでも猩々の前払いはもちろん、麒麟獅子の前進、立ち、三つかぶりなどの基本技はしっかり収められています。頭をゆっくり回したり、地をはうようなしぐさをする麒麟獅子特有の舞いをしっかり見ることができます。
 福本さんによると、因幡・但馬のおよそ180の神社で麒麟獅子舞は受け継がれていますが、どれ一つとして同じものがないそうです。福本さんたちは宇倍神社(国府町)や聖神社(行徳)、大和佐命神社(上砂見)などの舞いをもとに、マリオネットの舞いを仕上げたといいます。
マリオネット歴30年余りの石田さんは、これまでに20体を超す人形を操ってきましたが、新たに麒麟獅子が加わりました。石田さんの麒麟獅子は18本の繰り糸で舞い、動きます。この日は麒麟獅子舞とともに、尺八奏者・TERU功山さんに似た人形で「リンゴ追分」の演奏、ダンゴ虫たちのノリノリのロックダンスを披露しました。
 石田さんと福本さんは、これらのマリオネットを車に乗せて、県内外を回ることにしています。

マリオネットの麒麟獅子(操るのは石田さん)

麒麟獅子の指人形と福本さん

マリオネットになったTERU功山さん

みんなでマリオ

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