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ヤングドリーム実習農場      渡部敏樹さん

2020年6月06日

ヤングドリーム実習農場       渡部敏樹さん

 境港市の自然農法園・さかい夢の浜(渡部敏樹代表)は6月6日、ヤングドリーム実習農場を設け、農薬や化学肥料に頼らない自然農法に親しむ人づくりを始めました。海や陸の豊かさを守る運動にも発展させたいとしており、国連提唱のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとして、その成果が注目されます。
 渡部さんは中海の再生を目指すNPO法人でカリウムやミネラル豊富な海藻の肥料化を進めてきました。その実験農場が自作の畑(20㌃)です。25年前から街路樹の葉っぱ、乾燥させた海藻、乳酸発酵させた米ぬか、EM菌(有用微生物群)を使って堆肥づくりやフカフカの土づくりをし、少量多品種の野菜づくりに励んでいます。
 果物づくりも多彩で、ミカン、桃、キウイフルーツ、ブルーベリー、柿のほかに、ビニールハウスではパイナップル、マンゴー、ドラゴンフルーツ、モンキーバナナなど。どれもこれも市販のものより糖度は高く、実験農場を訪れる人を感動させています。
 さかい夢の浜は市内2カ所に畑を借り(30㌃)、会員48人が家庭菜園づくりを楽しんでいます。栽培指導しているのが渡部さんです。渡部さんはこの春、NPO法人の副理事長を退任したのを機に、「自然農法を基礎から学びたい」という声にこたえて、さかい夢の浜の一角にヤングドリーム実習農場をつくりました。初年度は4世帯12人の親子が参加し、スイカやカボチャ、マクワウリの苗15本を植えました。8月にはソバをまきます。
 渡部さんによると、活着すれば、あとは自然の成り行き任せ。「気をかけるものの、手をかけない」そうです。農薬や肥料がなくても、毎年決まって出てくる山菜に学べというわけです。畑の生き物にはすべて意味があるとも言います。例えば、アブラムシが寄ってくるのは土中にチッソが多いからで、アブラムシの粘液に菌がついて食物を枯らします。雑草もむやみに引っこ抜けば、善玉の微生物まで畑から奪ってしまいます。畑の雑草は燃やさないで、畑にすき込んで返すのが原則だそうです。ヤングドリーム実習農場では、虫がそこにいる意味や雑草の役割なども考えることにしています。
 さかい夢の浜の畑は、幅2mほどの雑草で囲われています。周りの田畑からの農薬の侵入を防ぐためです。そのグリーンベルトのなかでは、いろんな生き物が暮らし、生存競争を繰り広げていますが、フカフカの農地は健全です。虫たちに荒らされないわけも学びます。

「境港産のパイナップルです」と渡部敏樹さん

ヤングドリーム実習農場に集まったみなさん

苗を植えたら、稲わらで囲って

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