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小倉天体物理観測所       多賀利寛さん・足利裕人さん

2020年5月23日

 鳥取市のアマチュア天文家の2人が河原町の山の中に天体観測所を設けました。5月23日夜には、観測所周辺の住民を招いて星空観望会があり、春の終わりの天空ショーを楽しみました。「星取県」にまた一つ、新しい拠点が誕生しました。
 2人は山陰モバイルプラネタリウム代表の多賀利寛さん(元鳥取天文協会長)と鳥取環境大特任教授の足利裕人さんです。
観測所は山を隔ててさじアストロパークの西隣、鳥取自動車道の用瀬ICから車で約4分のところ、河原町小倉の畑地にできました。1.8m四方の観測ドームと屋根がスライドで動く観測室(7.2㎡)を設けています。名づけて「小倉天体物理観測所」。主に天体の写真撮影などを行います。
 多賀さんは東亜天文学会員で鳥取星の会会長。長年の天体観測の功績が認められて、火星と木星の間にある小惑星(18524)が「Tagatoshihiro」と名づけられています。星に個人名がつくのは世界でも珍しく、名実ともに県内天文家の第1人者です。
 足利さんは高校教師(物理)を経て、鳥取環境大で理科コースを教え、天文部を指導しています。星の寿命や光の成分を調べるため、多賀さんと共同研究することにしました。
 星空観望会には20人ほどの親子が集まり、西の空の宵の明星・金星ウオッチからスタートしました。多賀さんは「昔の人は金星も地球も太陽の周りを回っていることを知らないので、西に出てくる宵の明星と東の明けの明星は別々の星と思っていました」と説明。参加者は三日月状態で見える宵の明星を望遠鏡で確認して歓声をあげていました。
 夜8時を過ぎると、満天に星が広がり、北斗七星や春の大三角形がくっきり。星座の物語紹介が始まりました。星座は中近東の羊飼いが名づけ、ギリシャ、ローマ、大航海時代を経て88に膨らんだといいます。東の空から青白い織姫星が上がると、足利先生は「赤い星は温度が低くて寿命が短く、青い星は温度が高くて若い星です」と解説していました。
 県庁がある鳥取市街地でも、真夜中になれば、天の川が見える環境です。まさに「星取県」。多賀さんは「星取県づくりは星空をガイドできる人づくりに尽きる」と話していました。

多賀利寛さん(右)と足利裕人さん

「あの星かな?」。天文台周辺のみなさんの星空観望会

鳥取市の住宅街で見られる天の川(桜ケ丘中学校周辺、足利裕人さん撮影)

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