とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」
0857-59-6336
お問合せ お気に入り

HOME活動紹介

逃げた米子で花が咲く      米子観光まちづくり公社

2020年5月16日

 新型コロナウイルスの影響で、観光ガイドのみなさんは長く休業を強いられていますが、米子城やその城下町などを案内している米子観光まちづくり公社(川越博行理事長、約30人)は拠点の案内所でマスクや弁当、野菜などの販売で大忙しです。5月16日の土曜朝市をのぞきました。
 案内所は「米子まちなか観光案内所」(灘町1丁目)。米子港の近く、加茂川・京橋をはさんで内町後藤家のすぐそばにあります。築約250年の古民家を利用して2018年4月にオープンしました。
 案内所の前の道路は初代米子城主・吉川広家時代の登城路です。米子が鉄道の町になるまでは、周辺一帯は海運で栄え、商家や海鮮問屋などが建ち並ぶ米子きっての繁華街(西本町商店街)でした。近くには9カ寺が並ぶ寺町もあり、城下町探訪ではずせないエリアになっています。
 ただ、案内所があるところは、古い町ゆえにスーパーやレストランなどが少なく、住民の高齢化は進み、独り暮らしのお年寄りが増えています。そんなわけで、案内所には観光商品にとどまらず、住民が求める品ぞろえも欠かせません。ここ最近は感染予防のための布製マスクや疫病退散の「あまびえマスク」などが並んでいます。
 土・日曜日は近郊の農家がつくった有機野菜の朝市が立ち、テークアウトの弁当も売られています。弁当は料理教室の先生がつくったものや福祉施設の日替わり弁当などが並び、多い時で1日40食も出るそうです。「近いところには宅配もしています」と川越理事長。
 ところで、肝心の観光ガイドはどうなるのでしょう。川越理事長によると、〝アフターコロナ〟は6月27日の米子城・城下町めぐり(鳥取県社会福祉協議会共催)がキックオフ・イベントになる予定です。令和2年度のガイド目標人数は「皆目見当がつかない」そうですが、小グループ向けのディープなガイドに挑戦するといいます。城山での星空観察やコンサート、未公開茶室での茶会など。新商品を開発中です。
 米子観光まちづくり公社の今年のテーマは、米子市の人口増、そのための移住定住の促進です。「そのヒントは町づくりの歴史にある」と川越理事長は言います。米子の城下町をつくった米子藩家老の横田内膳は、倉吉や日野、法勝寺などから商人、職人などを集め、合わせて身元保障をするお寺も引っ越しをさせて城下町をつくりました。そのなかには旧尼子の残党などもいたことでしょう。出雲地方には「逃ぎょや逃ぎょやと米子に逃げて、逃げた米子で花が咲く」という俗言も残っています。「米子の城下町には、再利用できる古民家が多く残っています。これにお寺さんや永代供養などをセットにして紹介、あっせんすれば、現代の米子人が誕生することでしょう」と、川越理事長は強く訴えます。

米子観光まちづくり公社理事長の川越博行さん

米子近郊の有機野菜が並ぶ「米子まちなか観光案内所」の朝市

米子まちなか観光案内所

一覧に戻る