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どうする? どうなる? 湖山池         平家裕一さん

2019年11月27日

 日本最大の湖が琵琶湖なら、日本一広い池は鳥取市の湖山池―。鳥取県が誇る湖山池の近未来を考えようと、湖山西公民館は11月27日、県や市の環境担当者を招いてスーパーカレッジを開き、市民ができることを話し合いました。
 企画したのは公民館長の平家裕一さん。スーパーカレッジは開かれた生涯学習の場です。この日は鳥取大学生なども加わり、20人が参加しました。
 湖山池は周囲18㎞、面積約7㎢、平均水深2.8m。池と名のつくもののなかでは日本一の広さ、東京ドーム(4.7ha)の148倍です。ちなみに琵琶湖は約670㎢、中海は約85㎢、宍道湖は約79㎢です。
 湖山池はかつて日本海の入り海でした。400年ほど前に砂丘にふさがれてできたそうです。池の周辺からは縄文・弥生・古墳時代の遺跡が多く見つかっています。古くから多くの人が暮らし、中世は池の東・天神山城を拠点に因幡の中心地でした。「湖山長者」伝説や全国でも例がない「石がま漁」などが伝えられています。
 ただ、湖山池も富栄養化で汚濁が進みました。アオコが発生し、ヒシが大量に繁茂して舟の航路をふさぐなど環境悪化が問題化しました。平成22年の周辺住民の意識調査で、「湖山池は水が汚い」がトップになりました。そこで県や市は「恵み豊かで、親しみのもてる湖山池」にするため、平成24年から海水導入に踏み切りました。目標は東郷湖並みの汽水化です。いまも塩分濃度の調整など試行錯誤が続いています。
 スーパーカレッジで県水環境保全課は住民による湖山池の五感チェックを提案しました。毎月、家族や友達で湖畔に出かけて、①水の透明度や景観をながめ②鳥の鳴き声などを聞き③潮の香りなどをかぎ④湖山池の魚介類を食べ⑤池に手や足をつけて―採点するというものです。すでに中海や東郷湖では取り組まれており、住民の環境意識が高まっているそうです。
 市生活環境課はこのほど実施した湖山池周辺住民の意識調査を報告しました。それによると、湖山池は「美しい景観・景色」「憩いの場」という回答が最も多かったそうです。この10年で市民の湖山池のイメージが変わりました。アウトドアのイベントやジオパークなどの教育・観光への活用に期待が高まっているといいます。また、長く運休していた湖山池周遊の遊覧船も、令和2年春にはナチョラルガーデンに発着場を移して再開する予定だそうです。
 参加者からは湖山池を周回する歩道、湖山池に立ち寄る二次交通が未整備なことや鳥取観光が相変わらず砂丘に偏っていることなどを指摘するとともに、湖山池美化の市民運動の必要性も挙がっていました。また、5百円玉大の湖山池シジミの普及、PRの声もありました。市民の出番です。

平家裕一さん

再開間近の湖山池遊覧船(鳥取市提供)

湖山池のシジミは500円玉の大きさ

湖山池・福井公園上空から(鳥取県提供)

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