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宇宙は不思議がいっぱい           多賀利寛さん

2019年11月10日

 鳥取市国府町の大茅地区公民館は11月10日、文化祭「おおかやまつり」を開き、鳥取天文協会の多賀利寛さんを講師に招いて星取県・鳥取県のことや宇宙の話を聞きました。近くの殿ダム周辺が星空観察の好適地とあって、住民の関心は高く、熱心に学びました。
 多賀さんは鳥取市生まれの68歳。小学生のころからホウキ星に興味を持ち、今日まで星空を観察してきました。23歳の時に鳥取天文研究会をつくり、さじアストロパークや国府町中央公民館の天文台建設に携わったほか、鳥取市子ども科学館や県立博物館の天文講師、星取県の推進役などで活躍中です。鳥取天文協会前会長。長年の天文活動の功績が認められ、東亜天文学会が火星と木星の間にある小惑星(18524番)に「tagatoshihiro」と名付けて顕彰しています。星に個人名がついているのは、極めて珍しいそうです。
 多賀さんは「天空への招待」と題して、月や太陽や太陽系の話のほかに、星取県の試みを紹介しました。
 それによると、直径換算で太陽は地球の109倍、月は地球の4分の1の大きさで、それぞれの公転で皆既日食・月食などの天体ショーが起こっていることを説明しました。また、日の出は太陽が頭を出したところ、月の出は月の半分が見えた時点を指すことも紹介しました。太陽の中心核は1600万度で燃えており、表面温度は6千度、黒点は4千度ほど。ただ、吹きだしているコロナはなぜか100万度もあるそうで、その理由はいまだに未解明といいます。また、黒点は氷河期が少ないものとされているものの、温暖化が懸念される近年は黒点が少ないそうで、これも原因不明といいます。
 月はアメリカがアポロ計画で持ち帰った石によって、地球より早く誕生したものとわかりました。そのアポロ計画が中止になって40年余り。いまだにねつ造説が取りざたされるところです。多賀さんは「アポロ計画はソ連との冷戦のなかで進められたこと。相手がいなくなり、費用対効果の問題もあって中止された。中国との宇宙開発競争で再開されるかもしれないが、今度は火星移住計画が浮上しそう」と教えてくれました。多賀さんによると、火星には海がないものの、水の存在が確認されており、太陽の寿命説もあって、アメリカなどでは宇宙移住するなら火星という研究が進んでいるそうです。
 月といえば、日本なら「ウサギのもちつき」という見え方ですが、アラビアでは「ライオン」、ヨーロッパでは「本を読むおばあさん」や「カニ」などに見えたりするそうです。星座名は中近東の羊飼いが命名したのが始まりで、ギリシャやローマなどに伝わって、広まったといいます。不思議がいっぱいの宇宙の話ですから、多賀さんの話は尽きることがありませんでした。

多賀利寛さん

「天空への招待」講演会(おおかやまつり)

日本での満月の見え方

世界各国の満月の見え方

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