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老農・中井太一郎も選ばれる        大河ドラマを推進する会

2019年9月07日

 日本の美しい田園風景をつくった倉吉市小鴨の中井太一郎も大河ドラマ候補に―。鳥取県を舞台にした歴史大河ドラマを推進する会は9月7日、倉吉市の市立図書館で3回目の選考会を開き、明治時代に「田植え定規」や除草器「太一車」を開発し、日本の米づくりで活躍した老農・中井太一郎を大河ドラマ候補に選びました。
 鳥取県の大河ドラマ候補は①岩美町出身の外交官兄弟、澤田節蔵・廉三とその妻・美喜②赤とんぼの母・碧川かた③比叡山や大山寺などを復興した豪円和尚―に次いで4件目です。推進する会は先に選んだ物語を含め、NHKなどにドラマ化実現を働きかけるとともに、パンフレットなどを作成して「郷土の偉人」として顕彰活動を展開しています。
 選考会は3年目で、今年は①いも代官・井戸平左衛門正朋(発表者・根平雄一郎さん)②亀井玆矩と王舎城の夢(田中精夫さん)③稲作技術の進歩に尽くした老農・中井太一郎(北村隆雄さん)―の3つの物語について発表があり、来場者の投票で老農・中井太一郎を選びました。
 中井太一郎((1830~1913年)は幕末の大飢饉を体験し、食糧増産に一生を捧げた人です。50歳の時、米の収量増には強い苗づくりが欠かせないと、「田植え定規」を開発。苗代の幅を拡大するなど工夫し、米の生産性向上をもたらす「正常植え」の普及で全国行脚しました。太一郎の70~80歳代は、その行脚の日々で、日本各地に美しい田んぼの風景が広がっていったといいます。
 また、米づくり農家にとって炎天下での雑草取りは過酷な作業です。この重労働から米づくり農家を解放したのが、太一郎が開発した回転式除草器「太一車」(明治25年特許取得)。腰を曲げることなく、雑草を取りながら田んぼを起こせるすぐれもの。農薬や農機具の開発で、今ではほとんど姿を消しましたが、かつては米づくり農家になくてはならない農具でした。近年は無農薬・減農薬の米づくりやアフリカなどで活躍中です。
 倉吉市小鴨地区は太一郎の生誕地です。数年前から地区挙げて太一郎の顕彰に乗り出しており、地元産米を活用して五平餅風の「太一のき餅」をつくったり、ミュージカル劇団をつくって「太一車の里」などを上演しています。太一車歴史文化部会長も務める北村さんは「太一車は食糧不足のアフリカなどで引っ張りだこです。日本を元気にする話です。太一郎は鳥取県の誇りです。大河ドラマになって、もっともっと知ってもらわなければ」と話していました。
 選考会では郷土史家・小山冨見男さんの講演「鳥取県再置と『とっとり県民の日』」もありました。このなかで小山さんは「大河ドラマ候補を民主的に選ぶ〝鳥取方式〟は、NHKに注目されるはず」と高く評価していました。

大河ドラマ候補に選ばれて、喜びの北村隆雄さん

根平雄一郎さん

田中精夫さん

発表資料(近代稲作の父中井太一郎)

太一車

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