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70年のコレクション展        清末忠人さん

2019年7月13日

 鳥取市のあおや郷土館で7月13日から「清末忠人のコレクション展」が始まりました。小学校の先生や博物館の学芸員など、およそ70年間の調査・研究活動を通じて集めた植物・昆虫などの標本や鳥のはく製などで、夏休みの期間中、8月25日まで開かれています。入場無料。
 清末さんは昭和6年、鳥取市に生まれました。鳥取大学を卒業後、内地留学を経て県立博物館の学芸員になり、県教育研修センター所長、小学校校長などを歴任しました。この間、「ふるさとの生物」「鳥取砂丘の生き物たち」「山陰自然歳時記(1~6巻)」など多くの著書を出版し、平成16年に瑞宝双光章を受章しました。いま鳥取生物友の会会長、鳥取自然に親しむ会会長などを元気に務めています。
 コレクション展の入り口に、清末さんが生物や自然のとりこになったわけが書かれています。それによると、清末さんは小学6年生の時、鳥取大震災があり、ろっ骨を4本折る大けがをし、死線をさまよいましたが、奇跡的に助かったそうです。身動きできない、この時に見たアリや虫たちの生命力、植物の生きる力に魅せられ、すべてはここから始まったといいます。〝自然大好き歴〟70年余りといったところです。
 コレクション展には清末さんが海外も含めて県内外で集めた植物、貝、化石、昆虫などの標本、鳥や獣のはく製など約千点が並びました。開幕日の13日には清末さんのギャラリートークがあり、50人を超す人が詰めかけました。圧巻は60体の鳥のはく製と17箱もある昆虫標本です。夏休みの自由研究で人気を集めそうです。
 清末さんによると、獣や鳥をはく製にするには、図体の大小にかかわらず、一体2カ月ほどかかるそうで、内臓・肉・骨すべてを取り出して皮だけにし、防腐処理した木くずと針金で成形し、仕上げるといいます。素材になったのは県庁の窓などにぶつかって死んだ鳥たちで、クマタカは八頭郡の高圧線で感電死したものをはく製にしたそうです。
 珍しいものでは、南方の貝のケースに「ペガサスノツバサ」が収められています。秋の星座ペガサスは天空を駆ける馬で白い羽をつけていますが、その羽に似ているところから命名されたそうです。「星取県」にはほしい逸品です。
 化石のケースにも貴重なものが収められています。「火山豆灰の化石」。大山の火山灰に雨粒が丸められ、豆のようになって化石化しているもので、米子城山にはたくさんあるそうです。いま米子城では遺跡の発掘作業が続いており、簡単に見つけることができるかもしれません。
 このほかにも、コレクション展には珍品、宝物がたくさんあります。会場に足を運んで、見てください。清末さんは「私のコレクションは県立博物館に寄贈するつもり」だそうです。

清末忠人さん

カタツムリについて解説する清末さん(写真中央)

鳥や小動物のはく製がいっぱい(清末コレクション展)

雨粒が岩にからまった火山豆灰化石

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