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山陰の鉄道唱歌を書く        伯耆書院

2019年6月11日

 鳥取県西部の書道愛好者が集まる伯耆書院(森田尾山主宰)は6月7~11日、米子市美術館で「山陰本線の鉄道唱歌」書道展を開きました。米子は山陰鉄道の発祥地で、鉄道のまちとあって、鉄道ファンでにぎわいました。
 山陰本線(京都駅~下関市・幡生駅、673.8km)は、1933年(昭和8年)に全通しました。JR在来線のなかでは目下、日本最長です。鳥取県内の鉄道は1902年(明治35年)に境駅―米子駅―御来屋駅間で開通したのが始まりです。京都駅―出雲今市駅ができたのは1912年(明治45年)、山陰の近代化が始まりました。
 鉄道唱歌もできました。明治44年に「山陰鉄道唱歌」、翌年に「汽車旅行山陰唱歌」、鉄道延伸に伴って昭和4年に「新鉄道唱歌」。作曲は童謡の「金太郎」や「大黒様」などをつくった岩美町出身の田村虎蔵です。意気揚々としたメロディーです。
 伯耆書院の79人は一人一作、好みの唱歌を選んで、だれもが読めるように調和体書(漢字かな交じり)で仕上げました。作品は京都駅から終点に向かって順に展示されました。
 「ここは因幡の岩美驛 岩井温泉ほど近し」「南へ行けば三佛寺 投入堂のたくみあり」「天神川の川上の倉吉町は工業地 飛白(かすり)に名ある織物や生糸の産も數多し」「由良や八橋や赤碕や 左に見ゆる船上山 君を奉じて長年が たてこもれしは此山ぞ」「此處(ここ)は伯耆の米子町 商業日々に栄行きて」―などの書が並び、展示作品をたどれば、往時の産業や観光地、まちのにぎわいがしのばれ、まるで鉄道の旅をしているようです。
 会場にはJR西日本や祐生出会いの館、撮り鉄マニアなどの協力でSLのプレートや写真、駅弁の折り紙、ポスターなども並び、鉄道OBやその家族は懐かしそうに見入っていました。
 主宰の森田さんによると、伯耆書院は毎年テーマを設けて書道展(西伯耆の碑、大山の文学碑など)をしており、書と社会のつながりを大切に、だれにもわかる作品づくりに努めているそうです。サッカーの地元チーム・ガイナーレを応援する書道展なども長く続いています。

森田尾山さんと作品

大前誠さんの作品

尾崎聴砂さんの作品

米子は鉄道のまち、お客さまも次々と

山陰鉄道が京都―出雲今市間で開通した時のポスター(明治45年、祐生出会の館提供)

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