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アフリカ大陸でも活躍する太一車     倉吉市小鴨地区振興協議会

2019年5月15日

 鳥取県男女共同参画センター「よりん彩」の活動支援事業・「太一車が支えるアフリカ農業から男女共同参画を考える」セミナーが5月15日、倉吉市の倉吉未来中心であり、アフリカで太一車を使って稲作指導をしてきたJICA青年海外協力隊員の体験談を聞き、太一車を開発した郷土の中井太一郎の偉業を改めて確認するとともに、顕彰運動の大切さを学びました。
 中井太一郎(1830~1913年)は久米郡小鴨村(倉吉市)生まれ。幕末から明治時代にかけて農業振興に一生を捧げた人で、日本で初めて「田植え定規」を考案し、全国に「正常植え」を普及して歩くとともに、中耕除草機・太一車を開発して雑草取りの重労働から農家を解放し、米づくりの生産性向上に大きな足跡を残しました。日本の美しい田園風景をつくった男といわれています。
 アフリカ農業の体験を語ったのは、広島大学大学院生の田口大志さん。2015年から2年間、ウガンダ共和国の県職員として稲作農家の支援などをしてきました。
 田口さんによると、ウガンダの人口は3500万人ほどですが、2050年には4倍の1億2千万人になる見込みで、食糧増産が課題です。主食はヒエやキビなどの雑穀。米づくりは湿地で天水を利用して行われているそうです。アフリカの米づくりの先進地・マダカスカルでは除草に太一車を使っており、ウガンダでも普及に向けて、道具の現地生産が課題になっているといいます。田口さんは近く、ウガンダを再訪して、その後の経過を確認する予定です。
 セミナーには県職員や農業、地域づくりの関係者など各界から約40人が参加しました。JICA鳥取デスクの森木由加里さんによると、西アフリカのブルキナファンでも米の需要が急増しており、青年海外協力隊員が除草機の指導や試作に励んでいるといいます。アルミ製の軽量除草機を生産している太昭農工機(米子市)の松下愛治営業部長によると、国内のメーカーは3社ほどあるそうで、無農薬や減農薬の米づくりの普及で太一車の出荷量は維持されているそうです。
 セミナーを運営した倉吉市小鴨地区振興協議会・太一車歴史文化部会長の北村隆雄さんは「郷土の偉人が開発したものが、世界の食糧増産に欠かせないものになっていることがよくわかりました。国際貢献する太一車は日本を元気にします。自信をもってNHKの大河ドラマに推挙したい」と話していました。

北村隆雄さん

田口大志さん

太昭農工機製の除草機(紹介するのは松下営業部長)

中井太一郎と中耕除草機

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