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広々とした豊かな世界を願う          柴山抱海さん

2019年4月27日

 奈良時代の因幡国司で、万葉集の編集者とされる大伴家持を顕彰している因幡万葉歴史館(鳥取市国府町)で4月27日、鳥取県書道連合会長の柴山抱海さんが新元号「令和」を揮毫(ごう)しました。新元号が万葉集から採用されたのを祝って、万葉歴史館では「令和」特別展を開催中で、柴山さんの作品も展示しています。入場無料です。
 柴山さんの揮毫は公開で行われ、およそ50人が見守りました。会場には万葉集の最後を飾る家持の祝い歌「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事」のBGMが流れ、新時代への期待感がいっぱいです。
 柴山さんは青谷町でつくられた手すき和紙(縦135cm、横163cm)2枚に、大筆を使って楷書で「令」「和」と揮毫しました。落款(かん)が入るまでわずか2分。迫真の一筆書きでした。
 「広々とした心で、新時代が豊かな世界になるよう願って書きました」と柴山さん。揮毫のニュースを新聞で知り、倉吉市から駆け付けた京都大学名誉教授(東洋史学)の永田英正・迪子さん夫妻は「力強い筆さばきを見て元気をいただきました。新しい時代が始まるんだという気持ちになりました」と感謝、感激の様子でした。
 柴山さんの作品は漫画家・里中満智子さんのイラスト「言霊の人・大伴家持」とともに、「令和」特別展で展示されています。その特別展では「令和」が万葉集のどこから採用されたのか、どのような意味なのか、だれの作品かなどを解説すると同時に、「令和」出典のもとになった「梅花の宴」に寄せて、家持の歌も紹介しています。
 「春のうちの楽しき終(おへ)は梅の花 手折り招きつつ遊ぶにあるべし」(万葉集巻19、春のうちで楽しみの極みは梅の花を手折り、花の精霊を招いて、ともに遊宴にひたること)。酒好きだった父親・旅人の気持ちがわかる家持32歳の作品です。
 学芸員の鎌澤圭伸さんによると、万葉集が新元号に採用されて以降、万葉歴史館を訪れる人は、これまでの2倍になったそうです。

柴山抱海さん

揮毫の後、関係者みんなで記念撮影

新元号「令和」出展のもとになった[梅花の宴」に寄せた大伴家持の一首

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