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米子が育てた旅の詩人          石村隆男さん・長谷川泰二さん・森田尾山さんなど

2019年1月27日

 「襟裳岬」や「旅の宿」などの歌をつくった米子市出身の作詞家、故・岡本おさみさんをしのぶコンサートが1月27日、開館20周年の米子コンベンションセンターであり、およそ1700人が歌と映像で旅の詩人・岡本さんの世界に浸りました。
 岡本さん(1942~2015年)は米子東高から日本大学に進み、放送作家を経て作詞家となり、シンガーソングライターの吉田拓郎さんとのコンビで「襟裳岬」「旅の宿」「落陽」など数多くのヒット曲をつくりました。なかでも「襟裳岬」は森進一さんが歌って日本レコード大賞に輝きました。このほかテレビドラマの主題歌で大ヒットした岸田智史さんの「きみの朝」、森山良子さんの「歌ってよ夕陽の歌を」、ネーネーズの「黄金の花」なども岡本さんの作品です。
 ただ、岡本さんが米子市出身であることや米子での暮らしが作品の原点になっていることを知る県民は多くありません。そこで親交があった米子コンベンションセンターの石村隆男理事長や前理事長の長谷川泰二さんらが中心になって、岡本さんの作品を歌い継ぐトリビュートコンサートを思い立ち、山陰放送などの協力もあって入場無料の記念事業が実現しました。
 コンサートには岡本さんを慕うミュージシャンたちが集まりました。俳優の別所哲也さん、歌手で俳優の三浦祐太朗さん、ジャズボーカリストの森川七月さん、山陰少年少女合唱団リトルフェニックス、音楽監督の吉川忠英さん、映画監督の錦織良成さんなど。境港市出身の結城豊弘さんが演出しました。
 ステージのスクリーンには大山、米子城跡、加茂川、地蔵、町家、がいな祭、皆生海岸…米子の春夏秋冬が映し出され、出演者は岡本さんのヒット曲を歌い継いでいきました。出演者によるトークショーもありました。このなかで吉川監督が「『旅の宿』は岡本さんの新婚旅行先、十和田湖畔の温泉宿で誕生したが、実は岡本さんは酒を飲まなかった」「岡本さんは尾崎豊の才能にほれて、追っかけをしていたが、20日旅して家には10日しかいない人だった。旅先でつくった歌詞は便せんにしたためて郵送していた」など、岡本さんの人となりやヒット曲の裏話を紹介していました。
 裏話はもう一つ。このコンサートに際して、地元の書道家・森田尾山さんは大山桝水高原にある大江賢次さん(1905~1987年)の小説「絶唱」の碑文を拓本にして三浦さんに届けました。三浦さんの両親、三浦友和さんと山口百恵さんは映画「絶唱」の共演で親交が深まったといわれています。その映画監督は智頭町出身の西河克己さん(1918~2010年)でした。森田さんは岡本夫人と書道仲間。「襟裳岬」の歌詞を書にして日展会友となりました。「顔が見える」人間関係が鳥取県の強みです。

 ※写真上:岡本おさみさんとの思い出を語る出演者のみなさん

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