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若桜氷ノ山のジオパークは?        星見清晴さん

2018年5月20日

 八頭郡若桜町の出身者などでつくる鳥取若桜会(中尾恭治会長)は5月20日、氷ノ山へふるさと探訪を行い、23人が参加しました。鳥取地学会会長の星見清晴さんがガイドしました。鳥取若桜会は毎年、ふるさと探訪やグラウンドゴルフ大会などで会員の親睦を図りながら、郷土の発展を願い活動しています。
 今年のふるさと探訪は、地質的な面から鳥取・若桜の魅力を探ろうと企画されました。鳥取から若桜町の氷ノ山に向かう道中、八東川の徳丸ドンドや鳥取の三大名石の諸鹿石や三倉石が採れた場所などに立ち寄り、星見さんがその歴史や特徴などについて説明。参加者は熱心にメモを取りながら、星見さんの話に耳を傾けていました。
 星見さんによると、鳥取の平野部は6千年前まで霊石山付近まで湾の状態で、湖山池周辺では中世のころまで、その湾を利用して日本海とつながり、近畿地方との交易が盛んに行われていたそうです。また、日本海沿岸に点在する砂丘や砂浜は、多くは氷ノ山や扇ノ山から運ばれた砂が堆積したもので、中国山地の花崗岩(砂)は急こう配の日本海側に多く流れ出て、なだらかな山陽側には砂丘が形成されなかったといいます。
 地形の違いは気候にも影響します。若桜町は雪が多く、同じ山間地の智頭町と比べてもその積雪量は大きく違います。北西の谷の奥にある若桜町には日本海からの冷たい季節風が入り込み、それが氷ノ山にあたって雪雲を発達させるのに対し、智頭町は河原や用瀬にある山々がついたてとなって、冷たい風をさえぎるためだそうです。
 氷ノ山のふもと、若桜町つく米地区と但馬・小代地区を結ぶ国道482号が近年中に通行可能になることを踏まえて、参加者からは「若桜の氷ノ山も山陰ジオパークに編入させられないか」との質問があり、星見さんは「ジオパーク認定には地元住民の熱意と盛り上がりが大切だが、なかなか難しいのではないか」と残念がっていました。
 若桜の魅力を満喫した参加者は、氷ノ山の氷太くんで昼食を囲んだ後、満足そうに帰途に着きました。

 ※写真上:星見清晴さん

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