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「三愛のクニヘ」も研究会発足      片山長生さん

2018年4月29日

 岩美町出身の外交官兄弟、澤田節蔵・廉三と廉三の妻・美喜、3人の活躍をドラマ化する研究会が発足しました。名づけて「三愛(母子愛・祖国愛・人類愛)のクニヘ」研究会。1年かけて3人のエピソードなどを探り、原作(小説・評伝)づくりを進めます。
 澤田節蔵(1884~1976年)は満州国問題で追いつめられた際、「世界の孤児になるな」と最後まで日本の国際連盟からの脱退に抵抗した外交官。戦後は文化放送の会長、東京外語大の初代学長を務めました。弟の廉三(1888~1970年)は昭和天皇の通訳や外務次官を歴任。戦後は初代国連大使として日本の国際社会復帰に活躍しました。その妻・美喜(1901~1980年)は三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の孫。神奈川県大磯の別荘に混血孤児救済のための養護施設「エリザベス・サンダース・ホーム」をつくり、約2千人を養育しました。
 昨年、鳥取を舞台にしたNHKの大河ドラマを推進する会が誕生しましたが、岩美町の元高校教師・片山長生さんらが「鳥取には戦争の世紀を懸命に生きた3人がおり、その郷土愛や人類愛などを広く知ってもらいたい」と提案し、「赤とんぼの母」碧川かたの生涯とともに候補に選ばれました。
 推進する会がNHK鳥取放送局へドラマ化を要望したところ、地元や鳥取県の盛り上がり、シナリオのもとになる出版物などが採択条件になることがわかり、片山さんの呼びかけで研究会をつくることになったものです。
 研究会は4月29日、県立図書館に郷土史家や地元の人などが集まって発足。毎月テーマを設けて3人のエピソードを調べることにしています。節蔵・廉三・美喜それぞれに回顧録や随筆集、評伝などはあるものの、①日清・日露戦争時の澤田兄弟と岩美②昭和天皇と澤田兄弟③太平洋戦争と3人④エリザベス・サンダース・ホームと澤田夫妻と岩美―など、いろいろな場面で3人はどう動き、何を考えたか不明です。そんなエピソードがドラマ化には欠かせないため、研究会で探ります。その成果は日本海新聞制定の「とっとり文学賞」に応募し、発表したいとしています。
 いまNHK大河ドラマの誘致運動は、全国で40カ所ほどあると言われています。東京五輪前年の2019年には、日本が五輪に参加し、開催国になっていく物語「いだてん」が決まり、2020年には明智光秀など戦国の英傑たちを描く「麒麟が来る」が予定されています。「三愛のクニヘ」を通じて、「岩美が世界平和の聖地になれば」という片山さん。長い挑戦が始まりました。研究会(☎0857・72・0505)への参加は随時自由。
 先行している「赤とんぼの母」研究会は、兵庫県たつの市と連携してドラマ化の運動を進めるとともに、鳥取市の因幡万葉歴史館で6月30日から「碧川かたの生涯手づくり資料展」、7月7日にはかたを描いた小説家の講演会を予定しています。

 ※写真上:片山長生さん

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