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こだわって続ければ人は集まる   木下登士彦さん

2018年4月07日

 4月1日から8日まで、江府町で奥大山ひなまつりコレクションがありました。JR江尾駅周辺の住宅や商店には、おひなさまや色とりどりの人形が飾られ、にぎわいました。7日には防災情報センターで流しびな講演会もあり、伝統行事へのこだわりが地域の個性を引き出すことを学びました。
 奥大山ひなまつりコレクションは町文化協会(手島征夫会長)などが春の訪れを祝って開いているもので、住宅や商店、事業所の玄関やウインドーに、おひなさまや人形などを飾ってもらい、まち歩きを楽しんでもらうとともに、町をにぎやかにしようというのがねらいです。春の奥大山観光の目玉になっており、およそ60カ所で〝家宝〟のひなさんや天神さん、それぞれが集めた人形やこけしなどが並べられ、もちつきや特産品販売もあって、道行く人の目を楽しませました。
 講演会は流しびなの先進地に学び、まつりを充実させるために開いたもので、鳥取市の「もちがせ流しびなの館」の企画広報部長・木下登士彦さんが「流しびなと地域づくり」について講演、白石祐治町長や観光関係者などが聴講しました。鳥取県社会福祉協議会・とっとりいきいきシニアバンク「生涯現役」共催。
 木下さんによると、用瀬の流しびは江戸時代から続く旧暦3月3日一日だけの行事(今年は4月18日)。さん俵に男女一対の紙びなを乗せ、椿、菜の花、桃の小枝などを添えて、無病息災を祈りながら千代川に流すもので、近年はこの日だけで8千人~5千人の観光客やカメラマンが詰めかけているといいます。
 用瀬には常設の「流しびなの館」があり、日本各地のひな人形やひなまつりの歴史などを伝えていますが、ひな流しは旧暦3月3日に限った行事です。たくさんの観光客が訪れるので、「地域活性化のためにも行事実施日を増やそう」という声があるそうですが、昔から「この日だけ」にこだわり続けています。なぜか。旧暦3月3日は「大潮の日」に当たり、災いを遠くまで運び去る最適の日だからだそうで、用瀬宿の住民は観光客が帰った夕方、家族で千代川に出て、ひな流しを続けているそうです。
 木下さんは「観光客の目線に立っていないが、伝統行事を守り抜いているうちに、行事が光り輝き、住民に誇りと自信が生まれている」と紹介していました。ホンモノはいつも不易、個性豊かで魅力にあふれています。

 ※写真上:木下登士彦さん
  写真下:奥大山ひなまつりコレクション

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