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「公民館職員は前へ」         松本薫さん

2017年9月12日

 三朝・湯梨浜・北栄・琴浦4町の公民館職員研修会が作家の松本薫さんを講師に迎えて湯梨浜町中央公民館でありました。主事25人が参加。演題は「歴史小説でふるさと再発見」。松本さんは「それぞれの地域には固有の歴史や人がいる。それを掘り起こし、発信しないと外の人にも若い人にも伝わらない。公民館は住民と一体となって、それに取り組むところ。職員も主役、地域の裏方ではありません」と訴えました。
 松本さんは県内の歴史などをテーマにした小説家。ベストセラーになった奥日野の「TATARA」はじめ、江府町の十七夜物語「天の蛍」などがあり、このほど鳥取中央育英高校を創設した豊田太蔵の生きざまを描いた「ばんとう」を出版しました。
 はかま姿で登場した松本さんは、「TATARA」のあらすじを講談調で紹介。張り扇で演台を「バンバン」とたたき、「たたらの里・奥日野」が江戸時代には奥出雲とともに日本の鉄の8割を生産し、明治期に最盛期を迎えて、当時約3万人いた日野郡の住民の3人に2人が「たたら産業」にかかわっていたことを伝えました。
 砂鉄をとる、そのかんな流しによって、大量の土砂が川下へ運ばれ、米子平野や弓ヶ浜半島ができたことや、山を崩した日南町のあちこちに広大な棚田が誕生したことも解説しました。
 こんな地域の歴史を知ってもらうため、住民は「伯耆国たたら顕彰会」や「奥日野ガイド倶楽部」などをつくって、たたらの調査研究や拠点づくり、小説「TATARA」の出版、たたら古道の復活、たたら学検定、歴史文化・自然のガイド、駅舎整備などに取り組み、地域の高齢化や人口減、地域再生に挑戦中と報告しました。
 松本さんは「それぞれの地域には固有の歴史がある。何もないことはない。若い人や町外の人に見えるよう、わかるよう、感じていただけるようにするために、小説や漫画や映像や紙芝居などで伝えていくことが大切」とアドバイスしていました。

※写真上:松本薫さん
 写真下:講演会の様子

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