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「赤とんぼの母」は強かった     角秋 勝治さん

2017年6月08日

 中国青色申告会連合会女性部(大塚和江部長)の総会が倉吉市のホテルセントパレス倉吉であり、角秋勝治さん(元日本海新聞記者)が「赤とんぼの母」碧川かたの生涯について記念講演しました。このなかで角秋さんは「かたさんは48歳のときに婦人参政権同盟をつくるなど女性の地位向上や社会問題に取り組み始めた。そのころは人生50年。いまは90年。高齢化社会の生き方をかたさんに学ばねばなりません」と力説していました。
 角秋さんは新聞記者時代、20年にわたってかたさんを調査研究。その生涯を「鐘は既に鳴れり」(2012年)という上下2巻の著書にまとめました。この大作本は鳥取県出版文化賞に選ばれたほか、数々の功績が認められ、地方文化功労者として文科省の大臣表彰を受けています。
 角秋さんは鳥取藩家老の家に生まれ、兵庫県龍野で三木露風(童謡・赤とんぼの作詞者)を生んで離婚し、看護師として自立していくかたさんの波乱万丈の人生を紹介しました。
 それによると、かたさんは新聞記者となる同郷の碧川企救男と再婚し、その影響もあって社会問題に目覚めます。国会議員の食堂での禁酒を実現したり、野良犬放置禁止や婦人参政権獲得運動などに取り組みます。90歳で天寿を全うしますが、その通夜で74歳の露風が枕を並べて添い寝し、母子の長い空白を埋めた話は語り草になっています。
 一方、露風は日野郡出身の文芸評論家・生田長江のアドバイスで詩人の道を歩み、大正10年に「赤とんぼ」を作詩。これに山田耕作が曲をつけたものの、「戦地の兵が郷愁にかられて軟弱になるから」という国策で発表されずじまい。日の目を見たのは戦後の昭和22年、小学校の音楽教科書に採用され、日本人が最も愛する童謡として広がっていったといいます。
 角秋さんによると、かたさんからの現代人へのメッセージは①女性の自立②その目的は人権と平和③夫と一緒に取り組んだ男女共同参画の社会づくり④永遠の親子愛⑤高齢化社会の生き方―などにあり、学ぶところがたくさんあると指摘していました。

 ※写真上:角秋勝治さん
  写真下:講演会の様子

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